2009年3月4日(水)「しんぶん赤旗」

地方公務員大幅賃上げ

ドイツ労組、勝ち取る


 ドイツで地方公務員の大幅賃上げを求め各地で警告ストを実施していた統一サービス産業労組(ベルディ、二百二十七万人)などと、州当局をはじめとする使用者側は一日、二段階にわたる5・8%の賃上げで合意しました。

 ブランデンブルク州ポツダムでの交渉で合意したもの。ベルディによると、今年三月から3%、一〇年三月にさらに1・2%を賃上げ。定期昇給の1・6%と合わせると5・8%の大幅な賃上げになります。また、今年一月と二月分の一時払いとして、四十ユーロを支給します。

 当初、組合側が要求していた8%の賃上げには届きませんが、ベルディのブジルスケ委員長は「基本的な要求は通した」として、合意案を組合員投票にかけると述べました。

 ドイツの地方公務員は〇八年に州を除く地方自治体職員が5・1%の賃上げを勝ち取っていますが、今回は州職員の賃金底上げを求めていました。

 労組側は、同じ職種で地方自治体と州で働く労働者の賃金が逆転し、州労働者の賃金が低くなっていると指摘。前回の〇六年の労働協約妥結時点から2・8%も物価が上がっているとして、物価上昇を大きく上回り、生活向上を約束する賃上げを要求しました。

 労組側は交渉と並行して、二月はじめから教職員、警官、消防士、病院職員などが参加して各地で数万人規模の警告ストを繰り返し、使用者側に大きな圧力を与え、要求を勝ち取りました。

 この間の労組側の集会で、警察官労組のヘーゼン委員長は「大銀行には何十億ユーロも援助しながら、労働者や公務員に犠牲を押し付ける政治であってはならない」、ブジルスケ氏は「経済危機から立ち直るためにも、労働者の懐を温かくし、個人消費を促すことが大切だ」と政治的解決を訴えました。(片岡正明)



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