2009年3月4日(水)「しんぶん赤旗」
“心配ない”ではすまない
小沢氏と民主に説明責任
自民側にも「西松」献金
準大手ゼネコン「西松建設」の裏金づくりは、民主党の小沢一郎代表側への違法献金の疑いに発展しました。三日には、小沢氏の資金管理団体「陸山会」の会計責任者で同氏の公設第一秘書らが政治資金規正法違反の容疑で逮捕されました。
西松建設から小沢氏側へ渡った二千百万円(二〇〇三年から〇六年)は明らかになった事実だけみても、違法献金です。
政治資金規正法では政党以外への企業献金や他人名義での献金を禁止しています。政治家個人が政治資金の受け皿とする資金管理団体も企業からの献金受け取りは禁じています。西松建設は、企業献金を行う隠れみのとして同社OBがダミーの政治団体を設立し、小沢氏の「陸山会」にも献金していたのです。原資には同社が海外などでつくった裏金があてられた疑いがあります。
小沢氏は会計責任者が逮捕される前の三日の幹部会で、「全く問題ない。心配いらない。適切に処理している」と違法性を否定。鳩山由紀夫幹事長は記者団に「(小沢氏は)まったく問題がないという話だった。当然それを信頼している」と小沢氏の姿勢に理解を示しました。
しかし、逮捕されたのは会計責任者・公設第一秘書であり、「心配いらない」の一言で片付けられる問題ではありません。小沢氏自ら事実関係はどうかを国民に説明する必要があります。実際、小沢氏は一月三十一日の記者会見で、西松建設OBが代表を務めた政治団体からの献金の事実は認めています。
また民主党としても党代表にかかわる疑惑であり、きちんと調査し、その事実を明らかにする必要があります。
小沢氏側に捜査の手が入ったことに政府・与党側からは「個別の案件にコメントすることはない」(麻生太郎首相)、「司直の手で今後明らかになる」(自民・細田博之幹事長)などとしていますが、西松建設の献金は、二階俊博経済産業相側や尾身幸次元財務相側にも及んでいます。民主党も自民党も国民への説明が求められているのです。
西松建設がOB関連の政治団体を使って政界に献金をばらまき、政界との結びつきをはかったことは、改めて企業・団体献金の有害性を浮き彫りにしました。(高柳幸雄)
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