2009年3月2日(月)「しんぶん赤旗」

漢検フアミリー 自・民に献金

谷垣氏100万 福山氏670万 前原氏122万 松井氏50万

ボロもうけ 受検料原資


 公益法人では認められない巨額の利益計上や不透明な業務委託費問題で、文部科学省の立ち入り調査を受けた財団法人「日本漢字能力検定協会」(京都市)のファミリー企業や理事長、副理事長から自民、民主両党の国会議員四人が計九百四十二万円の献金を受け取っていたことが、本紙の調べで分かりました。

 政治資金収支報告書によると、献金を受けていたのは、いずれも京都選出で、自民党は谷垣禎一元国土交通相(衆院京都5区)、民主党は前原誠司副代表(同2区)、福山哲郎参院議員・政調会長代理、松井孝治参院議員・「次の内閣」内閣府担当大臣。(図参照)

 谷垣氏の資金管理団体「政経文化協会」は、二〇〇〇年に大久保昇理事長と、長男の大久保浩副理事長から各五十万円、計百万円を受け取っていました。

 福山氏は、支部長を務める「民主党京都府参議院選挙区第2総支部」が、副理事長が代表取締役の「日本統計事務センター」から〇〇年―〇七年に計五百二十万四百八十六円、副理事長から〇四年に百万円の献金があります。さらに、「福山哲郎後援会」は、〇五年に副理事長から五十万円の献金がありました。

 前原氏は、支部長の「民主党京都府第2区総支部」が、日本統計事務センターから〇二年―〇七年に計百二十二万円。松井氏も支部長の「民主党京都府参議院選挙区第3総支部」が、日本統計事務センターから〇七年に五十万円。

 日本統計事務センターは、漢検協会から〇六年四月以降、受検料決済、採点処理などで約三十一億円の業務委託費を受け取っています。このほか、大久保昇理事長が代表の出版社「オーク」、広告会社「メディアボックス」、調査会社「文章工学研究所」の三社にも、本部ビルの賃貸や広告業務の代金などとして、約三十五億円が漢検協会から支払われています。

 これらファミリー企業への不透明なカネの原資は、検定の難易度ごとにランク分けされ千五百円―五千円となっている漢検の受検料。「もうかっているなら、受検料を安くして」という声があります。

 「献金の原資は、受検料ともいえますが、返還などの考えは」との本紙の問い合わせに、各議員の事務所からは回答がありませんでした。

図

国への要請 福山氏が同席

 漢検協会は、昨年12月、2億円を拠出して、「検定試験・資格試験の第3者評価事業」などを目的に、財団法人「資格標準化機構」(大久保昇代表理事)を設立しました。

 この設立に先立って、大久保浩副理事長が、文科省に「国の指定機関にしてほしい」と要望した際、福山氏が同席したことが明らかになっています。



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