2009年2月28日(土)「しんぶん赤旗」
核廃絶の動きに確信
国際フオーラム開く
3・1ビキニデー
|
米国の水爆実験によるビキニ被災事件から五十五年を迎える三月一日を前に、核兵器廃絶運動の原点に立ち返り決意を新たにする「3・1ビキニデー」諸集会が二十七日、静岡市で始まりました。
同日は米国、フィリピン、豪州の海外代表を迎えた国際交流フォーラム(主催・日本原水協)が開かれました。「核兵器のない世界」をめざす新たな動きへの確信が語られ、二〇一〇年の核不拡散条約(NPT)再検討会議に向け運動を強めようと話し合いました。
アメリカフレンズ奉仕委員会バーモント州責任者のジョセフ・ガインザさんは、被爆者をはじめとする運動が今、「成功しつつある」と強調し、「核兵器のない世界」を掲げるオバマ米大統領の登場など国際情勢の変化を紹介。一方、こうした動きを阻む勢力が根強いことにも警戒を呼びかけました。
NPT再検討会議への提言をまとめるため日豪政府がつくった国際委員会のオーストラリア側NGOアドバイザーのティルマン・ラフさん(核戦争防止国際医師会議オーストラリア代表)は、米国の核抑止力に依存する両国がそれを拒否することは「ジェノサイド兵器の非合法化を促進するために両国ができる最も効果的な措置だ」と力説しました。
非核フィリピン連合事務局長のコラソン・ファブロスさんは、日本の費用負担でグアムを西太平洋の重要拠点として強化しようとしている米軍の実態などを報告しました。
日本原水協事務局次長の土田弥生さんは、国際情勢の変化の一方で、「核の傘」に固執する日本政府の姿勢を告発。その上で、被爆の実相を知らせ、世論をつくることこそが、「二〇一〇年に政府を動かし、廃絶へ進む政治的意思をつくらせる最も求められている活動だ」と訴えました。
四人の報告後、約百二十人の参加者は活発に意見交換しました。
同日に引き続き、二十八日には日本原水協全国集会(静岡市)と世界青年のつどい(同)、三月一日には一九五四年の水爆実験で犠牲になった故久保山愛吉氏の墓参行進・墓前祭(焼津市)、ビキニデー集会(同)が開かれる予定です。
■関連キーワード