2009年2月26日(木)「しんぶん赤旗」
マッスル元団員 労災認定
「実態は労働者」と判断
演劇の元マッスルミュージカル団員で映演労連フリーユニオンの女性組合員が、「テレビ番組収録中に左ひざのじん帯を断裂したのは労働災害」として労災申請していた問題で、東京都の中央労働基準監督署が労災と認定していたことが二十五日までに分かりました。
演劇団員でも実態からみて労働者にあたると判断したもので、泣き寝入りするケースが多い映画演劇団員らの救済と権利確立に道をひらく認定です。
今回の事故は二〇〇六年五月に発生。運営会社デジタルナインは労災と認めず、「自宅でけがをしたことにしろ」などといったうえ、復帰するまでバイト契約にして雑用を命じるなどしていました。
団員らは出演契約を結び、労働者扱いされていませんでした。会社の指示命令で動き、拘束時間も年約二千時間にのぼるのに、残業代もなく交通費も自己負担。けがをしても労災とされず無権利状態におかれていました。
耐えかねた団員らが労組を結成。二〇〇七年十二月に、労働条件改善などで和解しました。労災申請はこの中で行われたものです。
労災認定を受けて映演労連とフリーユニオンマッスルミュージカル支部は「労働者性を認定した画期的成果」とする声明を出しました。会社に対して団員すべてを労災支給対象とすることや労基署に指導強化を求めるなど安心して働ける環境づくりに取り組んでいくとしています。
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