2009年2月23日(月)「しんぶん赤旗」

肝心な問題 どこへ

民主党


 郵政民営化をめぐる迷走に中川昭一前財務・金融相の大失態…。麻生政権は統治能力を失い、事実上の解体状態です。そこに、一番欠けているのは、深刻な雇用・経済危機に真剣に取り組む姿勢です。これにたいして、民主党はどうでしょうか。

 「(中川氏の酒の)うわさを聞いてなかったのか」「首相の判断はぶれまくりだ」。十九日の衆院予算委員会。民主党の菅直人代表代行の質問は、中川氏の酒癖や郵政民営化をめぐる麻生首相の迷走追及に終始しました。雇用危機や中小企業の経営難など国民生活をどうするのかの話題はひとつもなし。

与謝野氏にエール

 その一方、菅氏が「能力的には評価している」と持ち上げたのが、中川氏の役職も兼務することになった与謝野馨財務・金融・経済財政担当相です。

 菅 三つのポジションをやられるのは大変じゃないか。本当の意味で心配を申し上げている。

 与謝野 菅さんに代わっていただけるなら、一つぐらい(閣僚ポストを)代わっていただきたい。

 二十日の衆院財務金融委員会では、民主党の古本伸一郎議員が「麻生首相は『お友達』で中川大臣を選んだと巷間(こうかん)いわれている。(与謝野氏は)どういう理由で選ばれたと思うか」と質問。与謝野氏は「『お友達』じゃないからじゃないですか」と受け流し、委員会室の与党席から笑いがおきました。緊張感がまったくありません。

 与謝野氏は、民主党の小沢一郎代表と囲碁仲間。自民、民主両党の「大連立」と消費税10%が持論です。

 小沢氏が十八日の記者会見で与謝野氏を「政治家、大臣として一生懸命その職務を務めておられる」と持ち上げれば、与謝野氏も「囲碁の公開対局で負けて以降、頭が上がらなくなった」(二十日)と述べるなど、その関係が憶測を呼んでいます。

小泉「造反」に期待

 もう一つ、民主党が期待を寄せるのが「麻生批判」を強めている小泉純一郎元首相の動きです。

 鳩山由紀夫幹事長は十二日、小泉氏が二兆円の「定額給付金」の財源にかかわる法案の衆院再議決に難色を示したことについて「言っている通りだ」と歓迎。「小泉氏を信奉する方々は、小泉氏の思い通りに行動してほしい」と、採決での造反を促しました。

 輿石東参院議員会長も、法案の採決について小泉氏の訪ロからの「お帰りを待って扱ったらいい」などと公然と発言してきました。

 小泉氏が再議決の衆院本会議を欠席する方針を表明すると、今度は菅氏が、国会で「自民党としては処分するのか」(十九日)と首相に質問。与党から「大きなお世話だ」とのヤジが飛ぶ一幕もありました。


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