2009年2月23日(月)「しんぶん赤旗」
かんぽの宿
オリックス不動産に109億円で売る予定
評価額は856億円
日本郵政(西川善文社長)がオリックス不動産への一括譲渡(売却)を白紙撤回した保養・宿泊施設「かんぽの宿」などの固定資産税評価額が約八百五十六億円だったことが、明らかになりました。これは、譲渡価格を決める前提となった簿価約百二十三億円の約七倍。オリックスへの譲渡予定価格約百九億円が適正だったのか、改めて問われています。
日本郵政の資料によると、売却対象となっていた「かんぽの宿」六十九と、さいたま新都心の宿泊施設「ラフレさいたま」、首都圏九社宅の計七十九施設の固定資産税評価額(二〇〇八年)の合計は八百五十六億七千六百万円。〇八年九月末時点の簿価は、あわせて百二十三億七千二百万円。
このうち、固定資産税評価額がもっとも高かったのは、「ラフレさいたま」の八十五億三千七百万円で、簿価の十五億五千八百万円の五・五倍でした。次いで、「かんぽの宿熱海」の三十一億円で、簿価二億六千二百万円の十一・八倍でした。
宿泊施設はすべて簿価が固定資産税評価額を大きく下回っています。転売しやすい社宅のうち、四社宅は逆に簿価のほうが高くなりました。
たとえば、東京都武蔵野市の「武蔵境社宅」は固定資産税評価額七億七千五百万円にたいし、簿価は十億五千五百万円。横浜市港北区の「大倉山社宅」は同じく六億二千八百万円にたいし、九億三千六百万円でした。
日本郵政によると、簿価が低いのは、施設の収益性の低下を反映させる「減損処理」をおこなったため。政府の「郵政民営化承継財産評価委員会」の承認を得ているので適正だとしています。