2009年2月21日(土)「しんぶん赤旗」
米国要求のアフガン増派
欧州各国は消極的
NATO国防相会議始まる
【ロンドン=小玉純一】ポーランドのクラクフで十九日始まった北大西洋条約機構(NATO)国防相会議で、ゲーツ米国防長官はオバマ政権が重点としているアフガニスタンへの加盟国軍隊の増派を求めましたが、欧州各国の反応は消極的でした。
米国は、アフガン増派を八月に予定される大統領選挙の治安対策として求めているものです。オバマ米大統領は十七日、一万七千人増派を発表。米国のいっそうの関与を世界に示すことで、欧州NATO加盟国にも同調を促しました。
NATOのデホープスヘッフェル事務総長は記者会見で、「欧州からの増派は数百人規模で、数千人規模ではない」と言明しました。アフガン増派を決めているのはイタリア五百人、ドイツ六百人などで、フランスは増派計画に言及しませんでした。
ゲーツ長官は、NATO即応部隊(NRF)の活用も求めましたが、ドイツはアフガンには使うべきでないと反対しました。NRFは地理的制限なく展開する陸海空統合部隊で、米国が提案し、二〇〇三年に創設されています。
アフガンには、米軍が今回発表の増派分含め五万五千人、その他のNATO加盟国など約三万人が駐留しています。