2009年2月21日(土)「しんぶん赤旗」
医療受給証
被爆記憶なしも交付
衆院予算委 赤嶺議員に局長答弁
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厚生労働省の上田博三健康局長は二十日の衆院予算委員会の分科会で、被爆体験の記憶のない被爆者に対して医療受給するように二〇〇九年度予算案に計上したことを明らかにしました。日本共産党の赤嶺政賢議員の質問に答えたもの。
舛添要一厚生労働相は「前回(〇六年改定で)切られた者を復活する。新方針に基づいて実施する」と、制度を見直すことを表明しました。
赤嶺議員は、〇二年に創設された「被爆体験者支援事業」が、〇六年の改定で「被爆体験の記憶のない者は対象としない」と、約三千人が「医療受給者証」を取り上げられたことを指摘。昨年四月の長崎県の「被爆地域拡大に係(かかわ)る事業検討委員会」報告書では、被爆体験の記憶の有無に関係なく精神疾患や合併症にかかっていることを示し、却下された被爆体験者のすべてに「医療受給者証」を交付するよう求めました。
また、赤嶺氏は、〇六年改定で「医療受給者証」の更新時の精神科医の診断を、三年に一回から毎年に変更した弊害を指摘。医師に事務が集中するとともに、被爆体験者の経済的・身体的負担を強いていることを挙げ、「元に戻すべきだ」とただしました。上田局長は「地元の要請もあるので、どのような対応があるかを踏まえて検討していきたい」と答弁しました。
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