2009年2月19日(木)「しんぶん赤旗」
“表現の自由削られても構わない”
児童ポルノ禁止法改定案で総務相
鳩山邦夫総務相は十八日、衆院予算委員会で、与党が議員立法で提出している児童ポルノ禁止法改定案について、「表現の自由で守られる公益と、児童ポルノによって失われる人権とを比較すれば、表現の自由という部分が大幅に削られて構わないという比較衡量(こうりょう)はできるはずだ」と述べました。衆院予算委員会で公明党の丸谷佳織議員への答弁。
日本国憲法第二一条は「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する」としています。鳩山総務相の答弁は、児童ポルノの「単純所持」を一律に規制したり、漫画・アニメーションなどの創作物も規制の対象に検討する与党提出の児童ポルノ禁止法改定案が、憲法で保障された表現の自由を脅かすことを認めたものです。公明党の丸谷氏は「議員立法と同趣旨のことを答弁していただいた」と述べました。
児童ポルノは、そのほとんどが現行法で取り締まることが可能です。児童ポルノ法第七条では、「児童ポルノを提供し」、それを目的として「製造し、所持し、運搬し、本邦に輸入し、又は本邦から輸出した者」にたいして、「三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金」がかけられることになっています。
現行法のもとでの児童ポルノに対する政府の対応の遅れこそが問題にされるべきです。