2009年2月19日(木)「しんぶん赤旗」
民間人死者2118人に
08年 米軍の侵攻後最悪
アフガン
オバマ米大統領は十七日、アフガニスタンへの増派を発表しましたが、現地の治安は悪化の一方で増派が事態の改善につながる保証はありません。民間人の犠牲は急増しており、世論調査によるとアフガン国民の間で、外国駐留軍の増派を支持する人は18%にとどまっています。
国連アフガニスタン支援派遣団(UNAMA)は十七日、二〇〇八年にアフガンでの武力紛争で死亡した民間人が〇七年の千五百二十三人より約40%多い二千百十八人に達したとする年次報告書を公表しました。二〇〇一年の米軍の侵攻後最悪の記録です。
アフガン治安軍や駐留外国軍の軍事行動による死者は八百二十八人と全体の39%を占めました。〇七年の六百二十九人から31%の増加。うち64%の五百五十二人が空爆によるもので、民間人死者全体の26%に当たります。
反政府勢力による死者数は全体の55%の千百六十人で、〇七年の七百人から65%も急増しました。反政府勢力による死者のうち85%が自爆攻撃や改良型爆発装置によるものでした。
地域的に見ると、死者の41%、八百七十二人が激しい戦闘が伝えられている南部諸州に集中しています。
また、〇七年と比べ倍の援助活動家三十八人が死亡。そのほとんどが非政府組織(NGO)の職員でした。
国連は、紛争のすべての当事者に対し、人道法と国際人権法を順守し紛争の民間人への影響を最少のものとするよう訴えました。
報告は、米軍などの空爆の事例として、昨年八月二十二日のヘラート州シンダンド地区での一度の爆撃で九十二人が死亡したこと、七月六日のナンガルハル州デバラ地区での結婚式が行われていた家屋への空爆で子ども三十五人を含む四十七人の民間人が殺されたことなど、詳細な事例を列挙しています。