2009年2月19日(木)「しんぶん赤旗」
アフガン増派1万7000人
米大統領命令 戦争泥沼化のなか
【ワシントン=小林俊哉】オバマ米大統領は十七日、アフガニスタンへの約一万七千人の増派を命令しました。海兵隊八千人、陸軍四千人、補給部隊五千人を今春後半から夏の半ばにかけて派兵します。オバマ政権として初の増派命令です。
オバマ氏は同日、「今回の兵力増強はアフガンの安定に寄与するだろう」などとする声明を発表しました。
米軍のアフガン駐留規模は現在三万六千人。オバマ政権は今年から来年にかけて、約三万人の増派を検討しています。
“テロリスト集団の一掃”を掲げたアフガン戦争ですが、治安は悪化する一方で、米軍の攻撃はパキスタン領内にも“侵食”。米軍を中心とする多国籍軍の攻撃による民間人死傷者が増加し、逆に反米感情が高まるなど“泥沼”の様相を強めています。
オバマ氏は同日、カナダのCBCテレビのインタビューで「アフガンではまだ勝てる。(国際テロ組織)アルカイダを阻止することはできる」と強調。一方で、「軍事的手段だけでは、アフガン問題を解決できない」とも述べざるをえませんでした。