2009年2月18日(水)「しんぶん赤旗」
中川財務相辞任
世論 総スカン
「世界に恥」「地元では有名」
「お酒のせい? 薬のせい?」。7カ国財務相・中央銀行総裁会議後の記者会見で、ろれつもまわらず、ピント外れの発言で、「酩酊(めいてい)」疑惑まで出た中川昭一財務・金融相。かぜ薬を飲んだだけでなく飲酒の事実まで明らかになりました。「世界に恥をさらした」「大臣の資格はない」「首相の任命責任は」と“非難ごうごう”で、万事休す。ついに、17日、辞任に追い込まれました。
中川昭一財務・金融相がG7会合後の記者会見でろれつが回らなくなるなど世界に醜態をさらした問題で辞任した十七日、同氏のおひざ元、北海道十勝地方に衝撃と怒りが広がりました。
帯広市を中心にした衆院北海道11選挙区では、これまでも支持者から「痛い目に遭わないと目が覚めないのではないか」「酒の飲み過ぎだ」との声があがっていました。
「自民党北海道第11区支部」(中川昭一支部長)と「中川昭一連合後援会合同事務所」は同日午後一時すぎ、急きょ帯広市内で記者会見を開き、後援会幹部が必死の弁明をしました。辞意表明を「大所高所に立った潔い出処進退」と持ち上げ、「これからの政治家なので常在戦場、いつ衆院選挙があっても私たちはぶれることなく最大限の支援をする」と語りました。
記者の質問が飲酒との関係に及ぶと、途端に歯切れが悪くなり、「常識的に考えて、ワインを飲んであのようになったということはあり得ない」と言い訳に終始し、表情はさえません。
帯広市のタクシー運転者(72)は「地元では酒の飲み過ぎで、『中川は病気ではないか』と有名でした。私の知人も今回の不祥事は、むしろ遅すぎたくらいだといっていたほどです。麻生首相が中川氏のことを分かったうえで財務相にした責任は大きい。自民党もこのままでは自滅ですね」と話しています。