2009年2月18日(水)「しんぶん赤旗」
イスラエル、土地接収
ヨルダン川西岸 入植地拡大か
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【カイロ=松本眞志】パレスチナのヨルダン川西岸内にあるユダヤ人入植地エフラト当局は十六日、イスラエル軍が同入植地周辺の土地約一・七平方キロをイスラエルの国有地に指定したと発表しました。カタールの衛星テレビ・アルジャジーラが報じました。
エフラトは、エルサレムの南方に位置し、現在千六百家族が居住。人口は今後三万人にまで増える見通しです。エフラト当局は、人口増加への対応として、指定された国有地に入植者用住居二千五百戸を建設する予定だと説明しています。
イスラエル政府は現在のところ、同地への入植者の移住を認めていませんが、パレスチナとの和平合意後エフラトを他の二つの大規模入植地とともにイスラエル領に併合する計画を持っているとされます。
現地のパレスチナ人は、イスラエルの措置を国際法違反として糾弾。国際社会に断固とした対応を求めています。パレスチナ自治政府のアッバス議長は、イスラエルとの和平交渉の前提条件として入植地拡大の凍結を掲げています。
ミッチェル米中東特使も一月のパレスチナ訪問で、入植地拡大凍結を中東和平実現のための重要課題としてとりあげました。