2009年2月18日(水)「しんぶん赤旗」
英仏の原潜衝突
核搭載艦 今月上旬に大西洋で
平和団体 “放射能汚染を危ぐ”
【ロンドン=小玉純一】英国とフランスの核兵器搭載原子力潜水艦が今月上旬、大西洋の海中で衝突していたことが十六日明らかになりました。衝突した原潜は、英海軍のバンガードと仏海軍のトリオンファン。
英海軍のジョナソン・バンド提督が同日に会見し、「双方の潜水艦は非常に遅い速度で接触した。双方の潜水艦は無事で負傷者はいない。核の危険は無い」と述べました。英大衆紙サンは、英原潜の船体にへこみと傷があり、スコットランドの基地に戻ったと報じました。
フランス国防省は「潜水中に超低速で一時的に接触した。探知機の覆いが破損したが自力でフランスの基地に戻った。乗員に負傷者はいない。核の安全に危険が迫っていることは決してない」としています。
英核軍縮運動(CND)のハドソン議長は、「最も大変な核の悪夢だ。核兵器と原子炉をおのおの搭載した潜水艦二隻の衝突は、大量の放射能と多数の核弾頭をまき散らしかねない」と指摘しています。
英バンガードはトライデント核ミサイル搭載の英国原潜四隻のうちの一つで、ミサイル十六基と四十八の核弾頭を搭載可能。少なくとも一隻が常時パトロールしています。
フランスも核兵器搭載原潜を四隻保有。トリオンファンはその一つで核弾頭付きミサイル十六基を搭載できます。
■関連キーワード