2009年2月16日(月)「しんぶん赤旗」
「追い出し屋」被害防止
大阪で全国対策会議結成集会
“家賃滞納居住者を食い物”
敷金・礼金が不要であることをうたった「ゼロゼロ物件」などで、家賃を滞納した居住者を強制的に追いだす「追い出し屋」の被害から救おうと、全国追い出し屋対策会議結成記念集会が十五日、大阪市港区で開かれました。全国から七十六人が参加し、賃貸保証業者への規制や公営住宅の供給増大などを国に求める宣言を採択しました。
同会議の代表幹事に就任した増田尚弁護士が「『追い出し屋』は弱者を食い物にする異常な『貧困ビジネス』。被害を救済・未然に防止したい」とあいさつしました。
被害に遭った男性二人が、「自分が仕事中で外出中に追い出し屋が来て、妻は十一カ月の長男の粉ミルクとほ乳瓶とおむつだけ持って追い出された」などと証言しました。
東京、福岡、群馬、愛知、大阪で被害の救済にあたる弁護士や司法書士が、「ドアに目立つ色の『退去勧告書』などを張り、マンションの住民全体に家賃滞納を知らせる」などの実態を、写真や実物も交えて説明しました。
京都産業大学法科大学院の高嶌(たかしま)英弘教授が「『追い出し』の法的問題点」と題して記念講演しました。
参加者から「刑事告訴は難しいのか」などの質問が出され、増田弁護士は「追い出し屋のこうした行為は、住居不法侵入罪、窃盗罪、不動産侵奪罪にあたる。刑事告訴は各地でしている」と回答しました。