2009年2月15日(日)「しんぶん赤旗」
オバマ米大統領に原爆体験語りたい
日本の被爆者が面会求め仲介役に書簡
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【ワシントン=西村央】日本の被爆者団体の代表が十三日ワシントンで、オバマ米大統領にあてた面会要請の書簡を仲介の米下院議員に手渡し、被爆者が味わってきた苦しみにもふれ、核兵器廃絶に向けた思いを語りました。
要請したのは十四日からワシントンで開かれる「核不拡散・核軍縮に関する国際委員会(ICNND)」の被爆者セッションに出席する岩佐幹三・日本原水爆被害者団体協議会事務局次長、道上昭雄・愛知県原水爆被災者の会副理事長、カナダ在住被爆者のサーロー節子さんの三氏。この日、オバマ大統領への仲介役となる米民主党のクシニチ下院議員の議員事務所を訪問し、同議員に被団協と、広島を中心とした被爆者団体からの大統領にあてた二通の書簡を託しました。
被団協は書簡のなかで「敗戦直前の原爆使用で人類史上最初の核戦争の被害者となったのが、私たち原爆被害者です」とのべ、「ふたたび被爆者をつくるな」と核兵器の緊急廃絶を求め続けてきたと訴えています。
岩佐氏はクシニチ議員に書簡を渡しながら、「われわれの体験をぜひ大統領にも語りたい。オバマ氏に会えるよう取り計らってもらいたい」と語りかけました。
クシニチ議員は「私自身、長い議員生活や大統領選予備選のなかで、核兵器は不拡散だけではなく廃絶が必要だと訴えてきた。(被爆者と)大統領との面接が実現したら、廃絶がどんなに重要なのかを大統領がいっそう深く理解するようになると思う」と言明。「手紙を大統領に届け、受け取ったという返事が届くよう助力したい」と述べました。
オバマ氏を大統領候補に決めた昨年八月の民主党全国大会では「世界の核兵器廃絶という目標を、米国の核兵器政策の中心課題とする」ことを明記した政策綱領を採択。オバマ氏は、ことし一月二十日の就任演説で「核の脅威を減らすために、絶え間ない努力をする」と表明しています。
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