2009年2月15日(日)「しんぶん赤旗」
「非正規切り」阻止 たたかい 道開こう
労働局申告 大運動を 労組づくり 力に
東京でシンポ
社会問題になっている「非正規切り」とのたたかいの前進をめざすシンポジウムが14日、東京都内で開かれました。自由法曹団と労働者教育協会の主催。生々しい実態とともに、一体となって労働局への申告運動にとりくむなど雇用破壊をやめさせる展望が明らかにされました。
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自由法曹団の鷲見賢一郎幹事長は、自動車メーカーの脱法的な雇用形態を紹介しながら、「非正規切り」の多くが違法・脱法だと指摘。派遣切りに対して労働局に申告して派遣先に直接雇用させるなどたたかえば道は開けると強調しました。
非正規切りに抗して昨秋から約五十の労組ができたと報告したのは、全労連の生熊茂実副議長。いすゞ自動車で解雇撤回など労組結成が情勢を動かしているとのべ、「労組に入ってたたかうことが重要だ。団体交渉し、大衆行動で解決を迫ろう」と呼びかけました。
「非正規雇用は女性に集中していたが、非正規切りにあい、子どもや家族も苦しめられている」と語ったのは、新日本婦人の会の笠井貴美代副会長。労働相談や子育てなどを通じて対話し、仲間を増やしており、国と大企業を動かす運動を広げていきたいと語りました。
日本共産党の山下芳生参院議員は、志位和夫委員長の国会質疑を紹介しながら、現行法にもとづいて派遣切りをやめさせる道が開かれたと強調。労働局に申告して解雇を凍結させた事例にふれ、職場や地域で生かしていこうとのべました。
日本共産党の市田忠義書記局長が国会報告をかねてあいさつ。「派遣切り」を許さず、直接雇用を求める攻勢的なたたかいをよびかけました (要旨)。参加者から、派遣村や外国人、公務の非常勤職員、正社員にも広がる雇用破壊の実態とたたかいが報告され、「解雇を撤回させ、新たな雇用先も約束させた」「家族も労働局に申告して派遣切りをやめさせたい」「自治体に雇用創出を迫っている」などと発言が相次ぎました。
正社員化を求めて労働局に申告したいすゞ自動車の元派遣社員の男性(49)は、「(非正規切りに)歯止めをかける一歩にしたい」と語りました。
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