2009年2月14日(土)「しんぶん赤旗」
首相支部に献金
キヤノン工事脱税 裏金づくり関与企業
麻生太郎首相が代表の政党支部が、キヤノン工場をめぐる裏金・脱税事件で逮捕者を出した企業から四年間で九十六万円の献金を受け取っていたことが十三日、本紙の調べで明らかになりました。
献金をしていたのは、造園工事業「内山緑地建設」(福岡県久留米市)です。同社大分支店の支店長と社員が十日、法人税法違反で逮捕されました。
政治資金収支報告書によると、同社は麻生首相が支部長を務める「自由民主党福岡県第八選挙区支部」にたいし二〇〇四―〇七年の四年間に毎年二十四万円、計九十六万円を献金していました。
同社はコンサルタント会社「大光」社長の大賀規久容疑者(65)が主導した架空発注による裏金づくりに加担していました。
大賀容疑者は大手ゼネコン「鹿島」にたいし、裏金づくりのために使う企業の名前を具体的にあげ、鹿島の下請け会社として使うよう要求していました。内山緑地建設は大賀容疑者が指名した企業のひとつ。
鹿島から下請け発注を受けた同社はさらに、大阪の難波英雄容疑者(61)らのグループ会社に工事を発注したように装っていました。こうした架空発注の工事代金は、難波容疑者らを経由して大賀容疑者のもとに渡っていました。
麻生首相には、社会的に問題となっている事件に関与した企業からの献金について、その趣旨などを明確に説明する責任があります。首相側は、本紙の取材に対して「担当の者が不在で回答できない」(麻生氏の国会事務所)と十三日までに回答がありませんでした。
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