2009年2月12日(木)「しんぶん赤旗」

EUが再就職援助へ

スペインの自動車労働者に


 【ロンドン=小玉純一】欧州連合(EU)の執行機関、欧州委員会は十日、解雇されたスペイン自動車産業労働者の再就職のために、欧州グローバリゼーション調整基金(EGF)制度を活用し約百七十万ユーロ(約二億円)援助することを決めました。今後、欧州議会とEU理事会が検討、承認します。

 スペインの北部カスティーリャイレオン州とアラゴン州で、自動車とその部品生産の十二社が、千八十二人を整理解雇し、スペイン政府が援助申請をしていました。解雇は▽低コスト追求によるEU域外への生産移転▽自動車と部品輸入の増大と生産市場シェアの減少のため―とされています。

 スペインでは昨年一年間に失業者数が50%近く増大。一月の失業率は14・4%に達し、雇用対策が緊急の課題となっています。

 基金は、グローバリゼーションの影響で大規模な解雇があった場合の対策としてEUが二〇〇六年末に設置。これまでフランスやポルトガルの自動車産業労働者など一万五千人を援助してきました。欧州委員会は昨年末、今回の世界同時不況による雇用情勢悪化に対応するため、基金の適用範囲を拡大することを勧告していました。



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