2009年2月12日(木)「しんぶん赤旗」
キヤノン工事裏金事件
大分県知事パーティー券
逮捕の社長購入
キヤノンの大分県新工場を舞台にした法人税法違反容疑で逮捕されたコンサルタント会社「大光」社長の大賀規久容疑者(65)が、広瀬勝貞大分県知事の資金集めパーティーでパーティー券を購入していたことが十一日、本紙の調べで明らかになりました。
パーティー券購入の事実を認めたのは、広瀬知事の資金管理団体「勝友会21」(総務省届け出)など二つの政治団体で会計責任者を務める人物です。
会計責任者は「(大賀容疑者には)東京でパーティーをした時に購入していただいた」と語りました。購入してもらった額については「わからない」としています。
政治資金収支報告書によると、広瀬知事は二〇〇五年十月に東京都港区で政治資金パーティーをおこなっています。主催した東京都選管届け出の政治団体「広瀬勝貞君を励ます集い」は一口二万円のパーティー券を三千四十八枚販売し、六千九十六万円の収入をあげました。購入者の大半が、報告書に記載義務のない二十万円以下となっています。
収入の大半は「勝友会21」など、広瀬知事関連の二つの政治団体に寄付。「励ます集い」は〇七年に解散しています。
広瀬知事は大賀容疑者について「よく知っています。選挙の関係でお世話になりました」(〇七年十二月の会見)と、親しい関係であることを認めています。
広瀬知事のパーティーをめぐっては、キヤノンも購入を認めており、同社会長の御手洗冨士夫日本経団連会長が出席しています(〇八年二月十九日付既報)。大賀容疑者に裏金を提供したとされる大手ゼネコン「鹿島」は、パーティー券購入について「お答えできない」としています。
大分県のキヤノン工場誘致 二〇〇三年に大分キヤノンが、〇五年には大分キヤノンマテリアルが大分県に新工場建設を表明。マテリアル工場の用地造成には六十八億五千万円がかかりましたが、県が補助金交付要綱を変えることで、キヤノン側は五十億円で購入できました。差額は税金で穴埋め。造成は同社の要請で、鹿島がすべて随意契約で受注しました。広瀬知事は〇三年に初当選で、現在二期目。
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