2009年2月11日(水)「しんぶん赤旗」

年4000人が戦闘訓練

陸自都市型訓練施設 海外軍事作戦を想定

党県委など調査

宮城・王城寺原


地図

 「憲法九条の国でこんな戦闘訓練場は許されない」。陸上自衛隊王城寺原演習場(宮城県色麻町など)で十日、都市型戦闘訓練施設を現地調査した参加者から異口同音にあがった声です。

 現地調査は日本共産党宮城県委員会と安保破棄・諸要求貫徹宮城県実行委員会がよびかけたもので、十二人が参加。党中央基地対策委員会事務局長の小泉親司元参院議員が同行しました。

 同演習場の都市型戦闘訓練施設は、自衛隊が米軍との海外での軍事作戦を想定、全国五カ所に設置したうちの一つ。

 都市型訓練施設は、演習場内のフェンスで囲まれた約二万九千平方メートルの敷地に、三階建てのビルや銀行、スーパーマーケットに模した鉄筋コンクリートの建物、戦闘訓練をモニターし指示を与える管理棟などで構成されています。

 調査にさきだっての質疑で、「米軍との共同訓練はあるのか」「年間の訓練日数は」などの質問に、陸上自衛隊北部方面総監部の広報担当官(一佐)は「現在のところ計画はない」とのべました。年間三千人から四千人がさまざまな戦闘訓練をしていると説明。

 各施設ではベニヤ板のドアに、「敵をせん滅するために突入」した訓練の生なましい軍靴の跡が残っていました。

 「軍事訓練施設を初めて見た」という今井光広宮城県高等学校教職員組合書記長は「憲法九条のある日本でなぜこんな施設が必要なのか。イラク派兵のように海外でたたかうためなのか」と話しました。



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