2009年2月11日(水)「しんぶん赤旗」
郵政民営化発言
首相、くるくる
昨秋「担当だった」
郵政民営化の賛否をめぐり、発言を二転三転させている麻生太郎首相。自身は「ぶれていない」と強弁しますが、その発言がくるくる変わっているのは明らかです。
昨年九月の自民党総裁選。日本記者クラブ主催の討論会(十二日)で、総裁候補の小池百合子衆院議員から「郵政民営化は失敗だったと思っていらっしゃるんですか」と問われ、麻生氏は「私は郵政民営化を担当した大臣ですから」と、しっかりアピールしていました。
しかも、「忘れないでください。私が総務相として担当しておりました。私が担当としてやらせていただきました」と強調する念の入れよう。
ところが、半年もたたないうちに麻生首相は「みんな勘違いしていますが、郵政民営化担当大臣ではなかった。郵政民営化担当から、私は反対だとわかっていたので、私だけ外されていました」(五日の衆院予算委員会)と、正反対のことを述べました。
それに批判の声が上がると、今度は「自分なりに勉強させていただいて、最終的に民営化には賛成をしました」(九日の衆院予算委)と、またもや発言を一転させました。
そして、十日は「(民営化の)内容を詳しく知っていた方はほとんどいなかった」と開き直りました。
郵政に関する一連の首相発言について、自民党の若手議員は「閣僚として郵政民営化の閣議決定に判を押しておきながら何を言っているのか。この問題は党内で、まだまだ尾を引くのではないか」と不安を口にします。
郵政民営化を推進しながら、「反対」「賛成」で、発言をコロコロ変える首相の姿勢は無責任きわまりないものです。(小林拓也)
今度は「国民は詳しく知らなかった」
麻生太郎首相は十日夜、二〇〇五年の衆院選に関し「あの時『(郵政民営化関連法案に)四分社化(が盛り込まれていると)知ってましたか』と言われたら、知っている人はほとんどいなかった」との認識を示しました。
さらに「国民が(争点と)感じていたのは、郵政民営化かそうでないかだけだった。(民営化の)内容を詳しく知っていた方はほとんどいなかった」と、郵政民営化の内容に対する国民の“理解度”の低さを指摘しました。首相官邸で記者団の質問に答えました。
〇五年の衆院選では、郵政民営化が最大の争点になったことはまぎれもない事実。選挙に打って出た小泉純一郎元首相が「本当に必要ないのか国民に聞いてみたい」とした郵政法案には、日本郵政公社を民営化し、持ち株会社の下で郵便、窓口、郵便貯金、郵便保険に四分社化する方針が明記され、それは政府の基本方針ともなっていました。
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