2009年2月11日(水)「しんぶん赤旗」
キヤノン疑惑で逮捕
元県議会議長は自民有力者
大賀兄弟から政治献金
キヤノンの大分県新工場をめぐる脱税事件で十日、コンサルタント会社「大光」社長の大賀規久容疑者(65)とともに逮捕された同社元取締役の長田助勝容疑者(80)は自民党の前大分県議。県議を七期つとめ県議会議長などを歴任し、自民党県連の顧問も務めた有力者の逮捕に県政界はゆれています。
長田容疑者の後援会には二〇〇三、〇四年に大賀容疑者が百五十万円ずつ献金。大賀容疑者の兄からも〇六年まで毎年十五万円ずつ献金を受けていました。
長田容疑者は、〇七年の地方選で県議を引退。最後の県議会で「広瀬勝貞知事は、本県発展のため、大分市のキヤノンほか企業誘致を次々と成功させ」と、キヤノン誘致を絶賛していました。
一方、長田容疑者は一九九七年から大光の取締役に就任。このほかにも四つの関連企業で取締役や監査役に名を連ねています。
長田容疑者は逮捕前、本紙の取材に「取締役になったこと自体を承知していません。(県議として)大光に便宜や情報提供を図ったことはない」と疑惑を否定していました。(矢野 昌弘)