2009年2月10日(火)「しんぶん赤旗」

経済危機

労働者の権利 後退させず

スペイン首相が強調


 スペインのサパテロ首相は八日、マドリードで演説し、経済危機への対処では労働者の権利を後退させず、雇用の創出と社会保障の拡充によって乗り切ると強調しました。

 全国から集まった与党・社会労働党の市長会議で、同首相は「この危機は労働者や一般国民が始めたものではなく、欲得しか考えない一部の人たちが起こしたものだ」と強調。危機の対処にあたっては「一人の家族も見捨てることなく、社会保障を拡充し、失業する前に機会を与えていく」と述べました。

 政府は景気対策として、百十億ユーロ(約一兆三千億円)で三十万人の雇用を創出、このうち三万一千人を公共事業で雇う計画です。首相は「いまの問題はただ一つ。失業して困難を抱える家庭に留意して、できるだけ早く仕事に戻すことだ」と述べました。

 スペインでは経営の都合による労働者の解雇が規制されており、経済界は青年や移民労働者の解雇をしやすくする制度改正を要求しています。

 首相は演説で「危機を利用して労働者の権利を後退させることはしない」と断言。「首切りを安易に自由に、安上がりにしたいと望む人たちへの答えはノーだ」「社会政策と労働者の権利を強めながら危機とたたかっていく」と述べました。



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