2009年2月5日(木)「しんぶん赤旗」
米厚生長官も辞退
閣僚2人目 納税漏れ発覚
【ワシントン=西村央】オバマ米大統領が厚生長官に指名していたダシュル元民主党上院院内総務は三日、納税漏れの責任をとって指名を辞退しました。一月初めには商務長官に指名されていたリチャードソン・ニューメキシコ州知事が同州と取引関係にある企業が不正受注で捜査を受けたことを理由に指名を辞退しており、閣僚指名者の辞退は二人目となりました。
ダシュル氏は二〇〇四年の選挙で上院議席を失った後、投資会社の顧問などをしていましたが、米メディアによると〇五年から〇七年にかけて約十二万八千ドル(約千百五十万円)の納税漏れがありました。
厚生長官に指名された後、利息を含めて未納金は支払いましたが、納税漏れの発覚で上院での承認が難航し、「混乱」の責任をとるとして指名を辞退しました。
ダシュル氏の指名辞退についてオバマ大統領は、CNNテレビのインタビューで、「政治的な力を持った人が、まじめに働き納税している国民より特別な扱いを受けることがあってはならない」と述べ、ダシュル氏を指名した自らの責任にもふれました。
この日はダシュル氏の辞退に先立って、オバマ大統領が予算合理化でのホワイトハウス監視官に指名したキルファー元財務次官補も税金問題が発覚し、指名を辞退しました。
オバマ大統領は同日、リチャードソン氏が指名を辞退した商務長官に、共和党のグレッグ上院議員を指名しました。