2009年2月5日(木)「しんぶん赤旗」

「核兵器 テロに効かず」

英退役高官の発言相次ぐ


 【ロンドン=小玉純一】「核兵器は脅威克服に役に立たない」と英国の核兵器政策変更を期待する退役軍高官の発言が相次ぎ、注目されています。英外務省も4日、「核の影を取り除く 核兵器廃絶への条件づくり」と題する政策を発表します。


 北大西洋条約機構(NATO)大西洋軍元最高司令官のジャック・シーハン米海兵隊大将はBBCラジオ4のインタビューで、「英国は、核兵器を捨てる最初の国連常任理事国となると近く発言すると思う。英国政府はそうする十分な理由があり、世界の先鞭(せんべん)となるだろう」(一月二十九日、BBC電子版)と発言しました。同氏はさらに、「そうなれば、なぜフランスが核兵器システムを持っているのかが問題になる」と述べ、英国の核兵器廃棄宣言は大きな国際的影響力を持つと予測しています。

 英紙タイムズには、ブラモール元英陸軍元帥ら三人の元将軍が、「英国に核抑止力は必要ない」(一月十六日付)と題して寄稿。「英国がテログループなどから核脅迫を受けた場合、英国の核兵器を、誰にどんな方法で使用するのか、また脅迫に使うのかが問われなければならない。われわれが現在直面している脅威、とくに国際テロに対する抑止力として核兵器はまったく役に立たない」と断言しました。

 英国政府は、核抑止力を維持するとしながらも、核兵器のない世界をめざす立場を表明しています。ミリバンド外相は昨年十二月八日、英紙ガーディアンに「核兵器のない世界」と題して寄稿。「核兵器のない世界という構想だけでなく、それを実現する方法も共有する地球的連合をつくる必要がある」と強調しています。



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