2009年2月4日(水)「しんぶん赤旗」

“中南米は変わった”

米国言いなりを克服

ALBA首脳会議

相互援助の強化を合意


 【メキシコ市=島田峰隆】中南米六カ国でつくる連帯と助け合いの地域機構「米州ボリバル代替構想」(ALBA)の首脳会議が二日、ベネズエラの首都カラカスで開かれました。同国のチャベス政権はこの日、発足から十周年を迎えました。首脳らは、この十年間に国民本位の変革の波が中南米全体に広がったことを歓迎し、いっそうの協力を誓いました。


 チャベス大統領は、開幕演説で、「十年前はほぼすべての中南米諸国が米国にひざまずいていた。今日、状況は劇的に変わった。中南米はもう米国の裏庭ではなくなった」と強調。新自由主義と対米従属を克服する変革が中南米全体へ広がったことを祝いました。

 各国首脳らは、「キューバから始まった変革はベネズエラへ続き、いま大陸全体を走っている」(ボリビアのモラレス大統領)、「中南米の諸国民は目覚めた。もう後戻りはしない」(エクアドルのコレア大統領)と発言しました。

 会議は、米国発の世界金融危機への対応として、医療、食料、エネルギー、教育など相互援助の強化や地域共通通貨の検討の継続を決定。また食料主権の強化でも合意しました。

 資本主義の限界が議論になり、ニカラグアのオルテガ大統領は、「資本主義の暗闇の今こそ団結と統合が不可欠だ」と指摘。ホンジュラスのセラヤ大統領は「資本主義の欺まんとのたたかい」を呼びかけました。

 首脳らは、カラカスで開かれた変革十周年を祝う集会にも出席しました。

 ALBA加盟国は、ベネズエラ、キューバ、ボリビア、ニカラグア、ホンジュラス、ドミニカの六カ国。今回の会議にはエクアドルの大統領も出席しました。


 ALBA 米国主導の米州自由貿易圏(FTAA)構想に対抗して、ベネズエラのチャベス大統領が二〇〇一年に提唱して始まった中南米の地域グループ。市場優先の競争原理に代わって、相互支援と協力、連帯の精神での共同を進めるとしています。


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