2009年2月3日(火)「しんぶん赤旗」
暮らしに基礎 足腰強い経済に
市田書記局長、政策転換求める
中小危機打開へ3つの提起
参院代表質問
日本共産党の市田忠義書記局長は二日、参院本会議で代表質問に立ち、深刻な雇用や中小企業の経営危機にたいして、政治が本腰で取り組むことを求め、「いまこそ暮らしに基礎をおいた足腰の強い日本経済をつくり上げていくことだ」とのべました。とくに、中小企業については、三つの緊急対策(別項)を示し、実現を迫りました。(質問全文、ムービー)
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雇用問題について市田氏は、労働者が仕事だけでなく住む場所まで奪われた事態は、終戦直後を除いて「いままでかつて一度もなかった」と指摘。「何の責任もない労働者を企業の一方的な都合で路頭に迷わせる。こんなことは人道上からいっても許されない」と強調しました。
労働法制の規制緩和が、「経営者のモラルを崩壊させ、生身の人間をまるでモノのように放り出しても何の痛みも感じなくさせた」と批判した市田氏。政治がやるべきこととして、職を失った人の救済とともに、財界・大企業にたいする断固たる指導をおこなうことや、労働者派遣法の抜本改正を求めました。
麻生太郎首相は、大企業の内部留保の活用について「企業がそれぞれの状況に応じて経営判断を下すべきだ」としながらも、「こういう非常時こそ、労働者の雇用と生活をしっかり守るよう最大限の努力をしていただきたい」と答えました。
市田氏は大企業の「下請け切り」によって仕事を奪われた中小企業が「九割減産でどうしてやっていけるのか」と、悲鳴を上げていると告発しました。
麻生首相は「中小・小規模企業を取り巻く環境はかつてなく厳しいものとなっている」との認識を示したものの、従来の「経済対策」を繰り返しました。
さらに市田氏は、現行の後期高齢者医療制度のもとで保険料滞納が増え、保険証取り上げが予想される問題に触れて、「保険証取り上げをやめるとともに、長年苦労してきたお年寄りにさらに惨めな思いを強いる後期高齢者医療制度は、きっぱりと廃止せよ」と求めました。
麻生首相は「やめれば問題が解決できるものではない」と廃止を拒否しました。
中小企業の危機を打開するための3つの提起
▽大企業による下請けいじめを防止するため、あらゆる実効ある手だてを
▽生活密着型の公共事業など中小企業の仕事を思い切って大幅に増やす
▽貸し渋り、貸しはがしをやめさせるためメガバンクへの監督・指導の抜本的強化