2009年1月31日(土)「しんぶん赤旗」
原爆症認定訴訟が結審
近畿・千葉の原告 「早く救済して」
原爆症認定申請の却下処分取り消しと国家賠償を求める原爆症認定近畿集団訴訟の控訴審(原告十一人)の第一回弁論が三十日、大阪高裁(永井ユタカ裁判長)であり、即日結審しました。
原告の馬場崎榮さん(77)=大阪・阪南市=は「国家の起こした戦争の結果、原爆が落とされた。苦しみに対して、国に謝罪と賠償をのぞむものです」と口頭陳述しました。看護師として長崎の病院に配属され、救護被爆した森美子さん(82)=京都市=は「私たちには時間がありません。早く救済してください」と訴えました。
藤原精吾弁護団長は、認定システムを機械的に適用し「(浴びた)放射線量が足りない」と申請を切り捨てていた国に対し、総合的な判断を司法が何度も命じていると指摘し、国家の不法行為に対する国家賠償の必要性を訴えました。
判決は五月十五日に出されます。
千葉県の被爆者が訴えた原爆症認定集団訴訟(第一次四人)の控訴審第一回口頭弁論が二十九日、東京高裁(渡辺等裁判長)で開かれ、即日、結審しました。判決は三月十二日で、昨年五月の仙台、大阪両高裁判決に続く三つめの高裁判決となります。
裁判で陳述した原告の高田末子さん(69)は、長崎での凄惨(せいさん)な被爆体験を語り、肝硬変や食道静脈瘤(りゅう)などで「六十三年間、毎日、原爆症とたたかってきた。却下処分には到底納得できません」と訴えました。
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