2009年1月31日(土)「しんぶん赤旗」

労組加入者 過去25年で最大

アメリカ


 【ワシントン=西村央】景気後退が続き、雇用不安が広がっている米国で、労働組合加入者の総数が二〇〇八年は四十二万八千人増で、この二十五年間で最大の伸びとなりました。〇七年にも三十一万人増加しており、二年連続の純増です。

 米労働省が二十八日に発表した統計によると、〇八年の労働組合加入者総数は千六百九万八千人で〇七年の千五百六十七万人から増加。組織率は12・1%から12・4%へと上昇しました。

 〇八年の加入者純増は、官公労関係が二十七万五千人、民間企業労組が十五万一千人となっています。

 米国では官公労と民間での労組組織率の差は大きく、〇八年では官公労36・8%なのに対し、民間は7・6%です。

 このなかで〇八年に民間も含めて組合員数も大きく伸びていることについて、米労働総同盟産別会議(AFL・CIO)のティア・リー政策責任者は、不況下で雇用環境が厳しさを増しているなかで、労組と雇用者側との労働協約の重要性が鮮明になっていることを要因にあげ、「今の経済状況のなかで、賃金、健康保険、年金などをしっかりと守っていく労組を多くの人が求めている」と指摘します。

 一方、米国の民間部門での新規の労組結成は、雇用主の承認が必要とされていることなどが壁となり、容易に進まないのも現実です。そのため、労組結成をより容易にし、雇用者側との交渉をやりやすくすることを主眼とした「被雇用者自由選択法」成立が焦眉(しょうび)の課題となっています。



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