2009年1月26日(月)「しんぶん赤旗」
西松建設政治団体
資金提供 全容わかる
小沢民主代表 3100万
尾身元財務相 2080万
二階経産相 868万
準大手ゼネコン「西松建設」(東京都港区)の裏金疑惑にからみ、同社が企業献金の隠れみのとして設立したと指摘される二つの政治団体による政界への資金提供の全容が本紙の調べでわかりました。献金やパーティー券購入の形で、資金提供を受けていた政治家は、十七人(表参照、故人のぞく)にのぼります。総額では一億一千万円以上です。
本紙が調査
麻生内閣の二階俊博経済産業相は、個人と同氏が会長の政治団体「新しい波」(二階派)のパーティー券などであわせて八百六十八万円。
自民党では、尾身幸次元財務相が二千八十万円、加藤紘一元幹事長が千四百万円、藤井孝男元運輸相六百万円、建設大臣も務めた森喜朗元首相が五百万円など。麻生首相の地方再生担当の首相補佐官、山口俊一衆院議員も二百万円です。
民主党は小沢一郎代表が三千百万円、山岡賢次国対委員長が二百万円のほか、小沢氏の地元、党岩手県連も九百万円受け取っています。
このほか、ともに自民党出身である改革クラブ代表の渡辺秀央元郵政相、国民新党副代表の自見庄三郎元郵政相も。
二つの政治団体は、「新政治問題研究会」(一九九五年十一月設立)と「未来産業研究会」(九九年六月設立)。政治資金収支報告書によると、両政治団体は、二〇〇六年の解散までに、「会費」と資金集めパーティーで、あわせて約五億九千万円のカネを集め、約四億七千万円を政界にばらまいています。
同報告書の原本保存期間は三年。このため、総務省での閲覧で資金提供先が判明したのは、〇五年、〇六年の二年分だけでした。しかし、本紙は、資金提供を受けた側の政治家の資金管理団体、関連政治団体、政党支部などの収支報告書を二つの政治団体の設立時までさかのぼって調べました。
両政治団体はともに、西松建設の土木本部営業管理部長だった人物が代表。今回の事件で、裏金を管理・支出する役割をもたされたとされる西松建設の子会社「松栄不動産」の役員も務めていました。所在地は東京都千代田区内のビルの一室に同居していました。
両政治団体は西松建設が正体を隠して、政界に献金するためにつくったトンネル政治団体です。こうした献金システムは、外為法違反容疑で逮捕された前社長、国沢幹雄容疑者(70)が発案したとされています。
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