2009年1月26日(月)「しんぶん赤旗」

オバマ米大統領に公開書簡

核兵器全面禁止 条約交渉開始を

ノーベル賞受賞者ら


 【ワシントン=西村央】ノーベル賞を受賞した個人・団体などが連名で、オバマ米大統領に対し核兵器全面禁止に向けた条約交渉を開始するよう求める公開書簡を提出しました。


 公開書簡は、核兵器のない世界をめざすと表明しているオバマ大統領に激励されていると述べ、条約作成での指導力の発揮を求めています。

 この書簡は、「地球的責任のための技術者・科学者国際ネットワーク(INES)」と「拡散に反対する技術者・科学者国際ネットワーク(INESAP)」がオバマ氏就任の二十日に発表しました。

 一九九六年にノーベル化学賞を受賞したハロルド・クロート氏が代表者となり、平和賞(二〇〇四年)のワンガリ・マータイ氏、物理学賞(八八年)のジャック・スタインバーガー氏、平和賞(八五年)の核戦争防止国際医師会議(IPPNW)などが名を連ねています。

 書簡は、核保有国に現存している核兵器の危険性とともに、他の諸国やテロリストに拡散する危険性を指摘。「われわれの提案は、いますぐ核兵器禁止条約についての交渉を始めること」と表明しています。

 生物、化学兵器の分野ではすでにそれぞれ禁止条約が発効していることをあげ、核兵器禁止条約の締結が「時期尚早で究極の課題」とは言えないと指摘しています。

 そしてオバマ氏に対し、「いま行動し、核兵器禁止条約での交渉開始の指導性を発揮してほしい。世界の人々や諸国はそれに同調するだろうし、われわれはもちろんだ」と述べています。

 オバマ氏は二十日の就任演説では、「核の脅威を減らすために、絶え間ない努力をする」と表明しています。



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