2009年1月26日(月)「しんぶん赤旗」

ミサイルで撃たないで

被弾の少年

ガザ


写真

(写真)「友だちと一緒に生きたい」と訴えるアタラー君=24日、ガザ市(松本眞志撮影)

 「友だちと一緒に生きたい。イスラエル軍はぼくたちのような子どもをミサイルで撃つのはやめてほしい」

 ガザ市内のシファ病院。病室で家族に見守られていたアタラー・サアド君(12)は、ガザ地区ジャバリヤ難民キャンプの自宅で空爆を受け、右腕と右足を複雑骨折し、全身に爆弾の破片を浴びました。母親と兄のオマルさん(24)の妊娠中の妻が犠牲になりました。

 イスラエル軍のガザ攻撃が停止されて一週間目の二十五日、学校の授業が再開されましたが、アタラー君が収容されたシファ病院は、遺体や負傷者の搬送・搬入でごった返していました。一階の廊下の端には、衣類や靴が積み重ねられていました。亡くなった人たちのものでしょうか。

 入り口では、イスラム武装抵抗組織ハマスの民兵が自動小銃を携え、警戒しています。

 イーサ・ゼータル医師(35)は「電力供給のストップで自家発電機に頼ったが、使用にたえなかった。酸素吸入も手動でやった」と空爆下の活動を説明。「スタッフ全員の努力で、電力ストップで患者が死亡するという最悪の事態はまぬがれた」と語りました。

 同医師によると、白リン弾を浴びた患者の皮膚は深部まで焼けただれていました。「傷が骨まで達したために手足の切断手術が多かった。他の残虐兵器使用の可能性もある」と告発しました。

 同病院にいたノルウェー人医師は、イスラエル軍が米国製兵器DIME(高密度不活性金属爆弾)を使用した疑いがあると証言しています。

 イスラエル軍のガザ攻撃では域内の医療施設も攻撃対象になり、大きな被害を受けました。地区内では、医師五人と看護師を含むスタッフ十五人が活動中に犠牲になったといわれています。(ガザ市=松本眞志)


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