2009年1月25日(日)「しんぶん赤旗」
パーティー券購入前後に
西松建設が工事受注
同社の政治団体 静岡・大分知事らから
裏金事件で国沢幹雄前社長らが逮捕された準大手ゼネコン「西松建設」の元幹部が代表を務める二つの政治団体から、パーティー券を購入してもらった現職首長がいるすべての自治体で、購入前後に同社が公共事業を受注していたことが二十四日、本紙の調査でわかりました。同政治団体の献金は、原資の一部が裏金だと指摘されており、献金と受注の関係がきびしく問われます。
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西松建設関連の政治団体「新政治問題研究会」、「未来産業研究会」からパーティー券購入を受けた現職の自治体首長は、静岡県の石川嘉延知事ら四人、総額三百三十万円分です。
石川知事は二〇〇六年一月に政治資金パーティー「石川嘉延を囲む新春時局講演会」を開催。両団体はパーティー券を五十万円ずつ購入しました。
西松建設はパーティー開催前の〇五年八月に静岡県発注の「付替林道8号橋梁下部工工事」を二億五千六百万円(落札率91・89%)で落札。パーティー後には「静岡空港整備工事」を〇六年八月に五億四千七百万円(同48・67%)、〇七年二月にも九億八千二百万円(同41・42%)で西松建設の共同企業体(JV)が落札しています。
〇五年十月には、広瀬勝貞大分県知事の政治資金パーティー券を両団体が五十万円ずつ購入しています。西松建設が入るJVが〇六年に「久木野尾ダム建設工事」(防衛省補助金で県発注)を四十七億四千百八十万円で受注しました。
大阪府吹田市では西松建設のJVが〇四年に「千里たけみ小学校耐震改修および大規模改修工事」を四億七千二百五十万円(落札率97・49%)で落札。〇六年に開催した「阪口よしお市長の政治活動二十周年を祝う会」のパーティー券を両団体あわせて百万円分購入しています。
神戸市では、〇五年二月に「灘浜汚水幹線人孔改良他工事」を六千七百万円の随意契約で受注。三月に「弓場線街路築造工事」を二億六千二百万円(同98・05%)で落札。同年八月に同市の矢田立郎市長のパーティー券三十万円分を新政治問題研究会が購入しました。
西松建設関連の政治団体から献金を受けた経過について、四人中三人が本紙に回答。
「(市長側の)働きかけはございません」(吹田市・阪口市長)、「購入の働きかけはとくにしていないし、向こうから働きかけがあったのかもわからない」(神戸市・矢田市長後援会)、「購入していただいた経緯について承知していません」(大分・広瀬知事後援会)などとしています。
返金の意思については、阪口吹田市長は「後援会にいただいたものですが、違法であるなら返金するべきだ」と答えました。
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