2009年1月20日(火)「しんぶん赤旗」
英紙「イスラエルの敗北」
ガザ攻撃 「無意味な戦争」と批判
【ロンドン=小玉純一】「無意味な戦争がイスラエルの道義的敗北をもたらした」―英紙オブザーバー十八日付社説はこう断じています。
社説は、ハマスを弱体化させるというイスラエルの目的達成に疑問を呈したうえで、イスラエル軍のガザ撤退によって「戦争犯罪だとの告発に値する行為の証拠」が明らかにされるだろうと指摘。同紙は別記事で、住民の証言として、ガザ地区南部の村で先週、イスラエルのブルドーザーが住民の掲げた白旗を無視して家を破壊、十四人を殺害したと伝え、ジュネーブ条約に違反するとしています。
英紙ガーディアン十七日付は、今回のガザ攻撃に反対して兵役を拒否したイスラエルのベンモチャ氏の思いを、顔写真を添えて伝えました。
「私は平和主義者でない。イスラエルが強い防衛軍を持つ必要を認識している。しかし、四十年の占領に、もはや加担できない。ガザ攻撃や占領永続化はイスラエル防衛ではない」「われわれは将来の数千人の自爆者を、死者の兄弟、息子たちから生み出している。テロを生み出している。ガザでの戦争は占領四十年と切り離せない。私はハマスのロケット攻撃を正当化しているのではない。われわれイスラエルの人々は、イスラエルが何をしているかをまず直視すべきなのだ」
従来は兵役を拒否すれば数週間投獄されていましたが、ベンモチャ氏は今回、家に帰されたといいます。同氏は「軍が兵役拒否者の存在を認めたくないからのようだ」と話しています。ガザ攻撃に反対して兵役を拒否した人数は不明だといいます。