2009年1月19日(月)「しんぶん赤旗」
介護認定 4月から新方式
軽度に変更 2、3割も
厚労省資料 利用制限 深刻に
小池議員に示す
政府が四月から全面実施するとしている介護保険制度の新しい要介護度認定方式によって、「要支援2」「要介護1―5」の人のそれぞれ二―三割が現行方式より軽度に判定される恐れのあることが政府の資料でわかりました。日本共産党の小池晃参院議員の求めで厚生労働省が示したモデル事業の結果です。介護を要する人の生活に重大な困難をもたらす危険があります。
新方式では、要介護度の判定に必要な情報が大幅に削減されるため、生活実態からかけ離れた軽度の判定が増えることが危ぐされています。それを裏付ける結果といえます。
厚労省は新方式と現行方式で判定がどう変わるかを比べるモデル事業を行い昨年十一月末に結果を発表。しかし、要介護度ごとの判定の変化具合は公表していませんでした。
今回明らかになった結果によると、新方式では「要支援2」の31%、「要介護1」の19%、「要介護2」の28%など、各要介護度で二―三割の人が現行方式より軽度に判定されています。「要支援1」から「非該当」とされた人も二百二十七件、4%います。(表)
「非該当」「要支援1」を除くすべての要介護度で、現行より軽く判定された人数が重くされた人数を上回っています。
「要介護」から「要支援」に軽度変更された場合、施設に入所できなくなり訪問介護の利用も制限されるなど生活に深刻な影響が及びます。「要介護2」以上から「要介護1」以下に変わると電動ベッドなど福祉用具が原則として利用できなくなります。「非該当」では介護保険のサービスを利用できません。
小池氏は昨年十二月二十四日に質問主意書を提出し、新方式の実施を延期し慎重な検討を行うよう要求。政府は九日の答弁書で「さらに検討を行う必要はない」と、予定通り四月からの全面実施を進める方針を明らかにしています。
要介護認定 介護保険サービスを利用するためには要介護度の認定(「非該当」「要支援1、2」「要介護1―5」の八段階)を受ける必要があります。コンピューターによる一次判定、三人以上の専門家で構成する認定審査会による二次判定が行われます。軽度に認定されるほど保険で受けられるサービスの限度額が低くなります。
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