2009年1月17日(土)「しんぶん赤旗」

派遣村 労働者支援続く

“初の住み家”と喜び

生活保護申請も増加


 仕事と住居を奪われた人たちを支援する「年越し派遣村」は十六日も、行き先が決まらなかったり、アパートへの入居を待っている労働者百人近くの宿泊を東京都内の旅館に確保しつつ、引き続き支援しています。


 「やっと、アパートの保証審査が通りました」。神奈川県相模原市で「派遣切り」にあった男性(34)は、十日にアパート入居を申し込みましたが、両親がすでに亡くなり、保証人がいないため、一週間、保証会社の審査を待っていました。

 不動産屋で見積書を受け取り、千代田区役所に提出。住民票の確認のため、神奈川県へとあわただしく移動しました。

 「実際にアパートへ移れるのは二十日以降になりそうです。でも、派遣会社の寮じゃなくて、はじめて自分の『住み家』を持てます。楽しみです」と話していました。

 「派遣村」が旅館に移ってからも、新たに生活保護を申請する労働者は増え続けています。

 千葉県のスーパーマーケットで正社員だった男性(50)は、生活保護を申請し、ケースワーカーに入所をすすめられた施設が安心できる場所かを見に行きました。

 男性は昨年末、賞味期限のごまかしなど不正をやめるよう声をあげたため、会社から「社内の和を乱す」と退職させられました。社宅を追われ、がんの治療をしている妻は実家に避難しています。

 いったん、日比谷公園の「派遣村」に登録しましたが、宿泊テントが満杯だったので、わずかの蓄えでビジネスホテルに泊まって、仕事を探しました。

 お金が底をつき、万策尽きて再び「派遣村」を頼りました。「早く仕事を見つけたい。妻の医療費を出せるようになり、一緒に暮らしたい」と語りました。



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