2009年1月17日(土)「しんぶん赤旗」
消費税10%試算提示
経財諮問会議に内閣府
内閣府は十六日、経済財政諮問会議(議長・麻生太郎首相)に、消費税率を現行の5%から10%に引き上げた場合と、増税を見送った場合の国と地方の財政状況の試算を提示しました。「財政悪化」を口実に消費税増税を促す狙いです。
同試算によると、消費税率を二〇一一―一五年度に1%ずつ引き上げる場合、標準シナリオでは一一年度の国と地方を合わせたプライマリーバランス(基礎的財政収支)の赤字幅は十五兆二千億円。消費税を5%上げると、一八年度に黒字化が可能となり、増税を見送ると、一一年度に赤字幅は十七兆一千億円に拡大し、経済が回復しても一八年度に七兆円の赤字が残るとしています。
標準シナリオは、社会保障の抑制路線は続け、一〇年から世界経済が順調に回復することなどが前提です。
法人税率を引き上げた場合の試算は示していません。
いまの財政悪化は、一九九〇年代の“国と地方で公共事業に五十兆円、社会保障に二十兆円”という逆立ちした税金のつかい方、軍事費の聖域化や、相次ぐ大企業・大資産家減税で税収の空洞化を招いてきた結果です。「財政悪化」を口実に社会保障は抑制し、庶民に増税を求めるのは筋違いです。
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