2009年1月16日(金)「しんぶん赤旗」
ブッシュ氏の「悔悟」発言
武力優先策 最大の誤り
UAE紙指摘
【カイロ=松本眞志】アラブ首長国連邦(UAE)紙ガルフ・ニューズは十四日、「ブッシュはウソをついた。その通りだ」と題する論評で、イラク政策の誤りを認めるブッシュ米大統領の一連の発言をとりあげ、最大の誤りが「対テロ戦争」に示された武力優先策だと主張しました。
ブッシュ氏は最近行った最後の記者会見で、二〇〇三年のイラク戦争直後に航空母艦の艦上で行った「イラク戦争終結宣言」を「誤りだった」と認めました。昨年も、大量破壊兵器が存在しないイラクの侵攻を正当化することは「誤りだった」として「最大の痛恨事」と嘆いてみせました。
これに対してガルフ・ニューズ紙は、「ブッシュ氏の在任中を通じての最大の誤りは、軍事力を用いて世界に自分たちの少数意見を押しつけたことだ」と指摘。その「少数意見」とは「ネオコン(米国の新保守主義勢力)が、くだらないたわ言を少しでも聞こえをよくしようとして唱えた『先制的体制変革論』」だと説明しています。
同紙は「ブッシュ氏は、世界貿易センタービルとペンタゴンに対するテロ攻撃直後、米国に対する同情を悪用して、急ごしらえの同盟(有志連合)を形成し、『われわれの側に立つのか、テロリストの側に立つのか』と各国政府を脅した」と述べ、ブッシュ氏の「誤り」が単なる“善意の事実誤認”ではないと強調しました。