2009年1月16日(金)「しんぶん赤旗」

消費税増を明記

予算関連法案付則 首相が財務相と確認


 麻生太郎首相は十五日、首相官邸で中川昭一財務相と会い、二○一一年度から消費税を増税する政府方針について、昨年十二月に閣議決定した税制「改正」の中期プログラムに沿って、○九年度税制「改正」関連法案の付則に明記する方針を確認しました。

 付則への消費税増税明記に対しては、自民党内から異論が出ていますが、首相は会談で「政府として決まったことを進めてほしい」と指示しました。この後、財務相は記者団に「経済情勢が良くなるという前提で付則は成り立っている」と党側に理解を求めました。

 河村建夫官房長官は同日午前の記者会見で、「(景気が)悪いから、今から(増税を)言うのはいかがなものかという議論とは次元が違う。選挙にプラスかマイナスかという視点で見ている時代じゃない」と述べました。


審判なしに増税のレール民主主義を覆すもの

政府方針 志位委員長が批判

 日本共産党の志位和夫委員長は十五日の記者会見で、麻生内閣が二〇〇九年度予算案の税制「改正」関連法案の付則に消費税増税を明記し、一一年度からの“増税のレール”を敷こうとしていることについて、「国民の声を聞かずに、税金のあり方を決めるやり方は、議会制民主主義を根底から覆すもので、絶対に認められない」と厳しく批判しました。

 麻生内閣は昨年末、一一年度からの消費税増税の方向性を盛り込んだ税制「抜本改革」に向けた「中期プログラム」を閣議決定しました。そこには、〇九年度税制「改正」関連法案の付則に消費税増税の方針を書き込むことが明記されています。

 志位氏は「消費税増税の問題が国政の重大な争点になってきた」と指摘。消費税増税は、貧困と格差に追い打ちをかけ、景気悪化をひどくするもので、絶対に反対だという立場を表明し、「〇九年度予算案で大増税のレールを敷く企ては非常に重大だ」と述べました。

 志位氏は「消費税増税というなら、まずその是非を総選挙で国民に問うべきだ。国民の審判を経ないで、勝手に消費税増税のレールを敷いていいのか。このやり方自体も大問題にしていく」と強調しました。

 また志位氏は、政府・与党内からも消費税増税に疑問の声が上がっていることについて、「政府・与党内でも対応がまとまらないのは、国民の圧倒的多数が消費税増税に反対しているという事態の反映だ」と指摘しました。



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