2009年1月13日(火)「しんぶん赤旗」

「派遣村」団結集会

住居探し はかどらず

「早く安定した生活を」


 「年越し派遣村」で生活再建を目指す労働者とボランティアらが十二日に東京都新宿区の日本青年館で開いた団結集会では、「早く安定した生活をしたい」という思いがあふれました。


 国と東京都が用意した都内四カ所の施設などで寝泊まりしていた人たちは、同日、施設使用期限が切れたため、うち百七十人が日本青年館に宿泊。住居の確保ができていない人たちは、十三日から「派遣村」が独自に確保した都内の旅館二カ所などに移動します。厚労省が用意した宿泊施設は六十一人分でした。

約半数だけ

 「派遣村」村長の湯浅誠NPO法人自立生活サポートセンターもやい事務局長が、住居のめどが立っている人を、集会場で確認すると、約半数でした。

 東京・上野で運送の派遣をしていた男性(39)は、十三日にアパートに入居します。「派遣村」で相談するまで「若いから生活保護を取れると思っていなかった」と振り返ります。「早く仕事をしたい」と語りました。

 家具製造などの派遣現場で働いてきた男性(47)は、「『派遣切り』後の厳しい生活で、目のものもらいが悪化した。治療を優先したので、住居探しが終わっていない」と言います。「今日も不動産屋に行きたかったが、連休や移動で、なかなかはかどらない」とこぼしました。

所持金なし

 五日に東京都千代田区の日比谷公園のテントを撤収した後も、職・住を奪われ、「派遣村」に助けを求めてきた人がいました。

 名古屋市のトヨタ子会社を昨年十月に「派遣切り」になった男性(38)は、ネットカフェに暮らし、年明けに上京し、「派遣村」を頼りました。住み込みの仕事を探しましたが、「所持金がないので、賃金の日払い可能なところを希望したが、見つからなかった」と言います。「一日も早く就職したい」と語りました。

 湯浅村長は、「派遣村に来た人だけが救われるのではなく、全国に広げるため、体験したみなさんが声をあげてほしい」と呼びかけました。

 派遣村に全国から集まった募金四千三百万円のうち、残ったお金は「派遣村活動基金」として、全国の「派遣切り」にあった労働者らの支援にあてることになりました。



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