2009年1月12日(月)「しんぶん赤旗」
イスラエル軍のガザ攻撃拡大
新たに60カ所空爆
新残虐兵器使用の疑い
【カイロ=松本眞志】イスラエル軍は十日から十一日にかけてパレスチナのガザ地区の六十カ所を空爆するなどの攻撃を続けました。十日にはパレスチナ人四十八人が死亡、十一日には三人が死亡しています。
カタールの衛星テレビ・アルジャジーラによると、死者は大規模空爆開始後八百七十九人、負傷者は三千六百九十五人にのぼりました。
ガザ地区北部のジャバリヤ難民キャンプでは、十日のイスラエル軍戦車の砲撃で一家八人が死亡しました。
イスラエル軍は十日、ガザ住民に、イスラム武装抵抗組織ハマスへの協力拒否を要求、「対テロ戦争の新たな段階を開始する」と警告するビラを空からばらまきました。
ガザ市内のシファ病院で勤務するノルウェー人のギルバード医師は、警告に対し、「住民は逃げ場がない」と強い怒りを表明。「百五十万人が暮らす人口密集地への攻撃は住民を巻きこむことは明白だ」とイスラエル軍を批判しました。
同氏は、イスラエル軍がDIME(高密度不活性金属弾)という新兵器を使用している疑いがあると指摘しました。DIMEは、破壊力を強める一方、爆発の被害範囲が数メートル程度とされる米国で開発された新兵器で、二〇〇六年のイスラエル軍のガザ地区攻撃でも使用されたといわれています。当時、イタリア国営放送RAIニュース24がドキュメンタリーで報じ、負傷者の足の切断が「まるでのこぎりで切ったように骨まで切断されていた」との現場医師の話を伝えました。