2009年1月11日(日)「しんぶん赤旗」

内閣府の地下講堂で「天下り」あっせん会

職住求める派遣村「村民」の苦闘最中


 「年越し派遣村」に集まった人たちが、宿泊施設の期限切れ(十二日)を前に仕事と住居を求めて苦闘を続けていた八、九日、内閣府地下講堂でまったく対照的な会合が開かれていたことが明らかになりました。

 政府が官僚OBの「天下り」先をあっせんするために開いた「官民人材交流センター」の説明会が、企業・団体を招いて行われていたのです。

 「官民人材交流センター」は二〇〇七年、安倍内閣による天下り・天上がり自由化法(国家公務員法改悪)の成立強行を受けて、〇八年十二月三十一日に内閣府に設置されたもの。その結果、省庁が行ってきた天下り先のあっせんを、同センターで一元的に行うことになりました。

 以前の国家公務員法には、離職後二年間は仕事と密接な営利企業に就職してはならない、と明記していましたが、改悪でこの条文が削除されました。移行措置として、三年間は、首相の了承を条件に、省庁による再就職あっせんを認めています。省庁あっせんは原則禁止するものの、三年間は新設する「再就職等監視委員会」の承認を受けた場合は認めるなど、抜け穴だらけです。

 天下り問題は、麻生政権が昨年十二月、天下りを繰り返す「渡り」を政令として認める閣議決定を行ったことで再び注目を集めています。

 天下り・天上がり自由化法の参院本会議での採決時に民主、社民、国民新の三党は退席。日本共産党は出席して反対しました。



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