2009年1月9日(金)「しんぶん赤旗」

イスラエル、攻撃継続

停戦案検討表明の一方で


 【カイロ=松本眞志】イスラエル軍は八日、エジプトの停戦案を検討すると表明する一方で、ガザ地区に対する軍事攻撃を続けました。


 英BBC放送は、七日夜から八日朝にかけてイスラエル軍が六十回の空爆をおこなったと伝えました。カタールの衛星テレビ・アルジャジーラは、大規模空爆後これまでに七百十人以上が犠牲となり、三千百人が負傷したと報じました。犠牲者のうち二百十九人が子ども、八十九人が女性だとしています。

 ロイター電によると、イスラエル軍は七日、午後一時から四時までの「停戦時間」の終了直後に攻撃を再開しました。三時間の「停戦時間」は、人道的危機に対する国際的批判の高まりを受けて、「人道回廊」の設置とともにイスラエル政府が実施したもの。

 現地イスラエル軍司令官は、イスラム武装抵抗組織ハマスを市街の中心部で「掃討」する新たな段階に入ったとして攻撃強化を言明。イスラエル軍は、エジプト領に通じる地下道を破壊する作戦をおこない、エジプトとの境界付近の住宅三十軒が空爆を受けました。パレスチナのマアン通信は、難を逃れて八百家族が避難したと伝えました。

 八日にはまた、国連所属の車両がイスラエル軍の空爆を受け、運転手一人が死亡し、一人が負傷しました。

 地上戦によるイスラエル側の被害も増えています。八日の午後、対戦車ロケット砲の攻撃でイスラエル軍将校一人が死亡、三人が負傷しました。

 ガザにいる国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のジョン・ギング部長は、住民五十万人に水の供給がなく、百万人が電気のない生活を強いられていると訴えました。


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