2009年1月8日(木)「しんぶん赤旗」

エジプトが停戦案

イスラエル 国際的非難に「譲歩」も

続くガザ攻撃 死者683人に


 【カイロ=松本眞志】イスラエル軍のガザ地区に対する攻撃は七日に入り、昨年の大規模空爆以降十二日目、地上戦が開始されて五日目を迎えました。


 攻撃は一般市民に対しても拡大し、国連施設までが標的とされる事態となっています。現地の国連スタッフが「地区内に安全な場所などない」となげくほどです。死者は六百八十三人、負傷者三千八十五人が伝えられています。イスラエル側は市民三人と兵士七人の死亡、兵士九十五人の負傷が報じられています。

 イスラエル軍の非道な攻撃に対する非難はこれまで以上に強まりを見せ、即時停戦を求める国際的な動きも活発化。消極的だった米国も巻き込む形で事態が進行しています。

 エジプトのムバラク大統領は六日、エジプトのシャルムエルシェイクで中東を訪問中のサルコジ仏大統領と会見し、イスラエルとイスラム武装抵抗組織ハマスに停戦を呼びかけました。停戦案は、(1)人道支援物資配給のための即時停戦(2)ガザ境界の治安確保と検問所の開通、封鎖解除に向けたイスラエルとパレスチナの協議(3)パレスチナ各派の和解のための協議―など。米国と欧州連合(EU)は同案を支持しているとされます。

 イスラエル側は、ハマスのロケット砲攻撃を阻止するまで攻撃を続行すると主張してきました。しかし批判の高まりに直面し、「譲歩」も余儀なくされています。エジプトの停戦案についてはハマスの武器密輸停止というイスラエル側の要求に合致するかどうかを検討すると回答。同時に、ガザ地区住民に食料や医薬品を供給するために、攻撃期間中、午後一時から四時までの戦闘停止、「人道回廊」の設置を誓約しました。

 ハマス幹部のオサマ・ヒムダン氏は、エジプト停戦案を検討しているが基本的に保留の態度だと発言。停戦の条件は、イスラエル軍のガザ侵攻の即時停止、封鎖の解除と検問所の開放だとし、ガザ地区内の外国軍駐留は認めないとしています。 


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