2009年1月8日(木)「しんぶん赤旗」

即時停戦へ国際圧力

イスラエル、国連3学校砲撃

ガザ 避難の子ら42人死亡


 【カイロ=松本眞志】パレスチナのガザ地区に侵攻したイスラエル軍が六日、国連の運営する学校三カ所を砲撃したことに対し、潘基文(パンギムン)国連事務総長が「まったく容認できない」と非難するなど国際的な非難が広がっています。この中でエジプトによる即時停戦を求める調停が動き出しています。


地図

 砲撃された三カ所の学校のうち北部のジャバリヤ難民キャンプにある学校では女性や子どもを含む四十二人が死亡し、負傷者は百人以上。学校には住民三百五十人が避難していました。

 カタールの衛星テレビ・アルジャジーラは、犠牲となった幼児三人の遺体と親族男性の怒りの様子を映像で伝えました。子どもたちは砲弾の破片を胸部や頭部に受けて即死の状態です。

 ロイター通信(電子版)が同日配信した映像は、負傷し車に運び込まれる少女や、倒れた人のそばで泣き叫ぶ初老の男女などの姿を伝えています。崩れた壁の前の路上には高齢者や若者たちの多くの遺体が横たわり、駆けつけた人々の叫び声や救急車の音が交錯し、騒然とした様子です。

 イスラエル政府の報道官は、先に校内から同軍に対する砲撃を受けたとし、それに反撃したと正当化しました。ガザ地区内で活動する国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のギング部長は、事前にイスラエル軍に対して、ガザ地区全域の国連施設の所在を示す資料を提供していたと証言。避難した住民が集まっており攻撃を行わないように要請していたといいます。

 人道支援物資配給のための即時停戦などを求める六日のエジプト案については、米国と欧州連合(EU)も支持を表明。和平を求める国際世論に押される形でイスラエルとイスラム武装抵抗組織ハマスも検討を表明しました。イスラエルは人道危機に対する国際的批判を受け、一日三時間の空爆停止と「人道回廊」設置を提起しました。


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