2009年1月6日(火)「しんぶん赤旗」
非正規切り根絶へ一歩
「派遣村」引っ越し・国会デモ
「派遣切り」「期間工切り」で仕事と住まいを奪われ、東京・日比谷公園の「年越し派遣村」に集まっていた労働者ら約五百人の「引っ越し」が五日、行われました。
全労連、NPOの自立生活サポートセンター「もやい」など労組、市民団体でつくる「派遣村」実行委員会は、「五百人がつけた先鞭(せんべん)は、派遣切りをやめさせる第一歩。ささやかではあるが、大きな成果。世の中を変える第一歩でもある」とアピールしました。
「村民」は、ボランティア、支援者といっしょに日比谷公園から国会までデモ行進し、国に衣食住の緊急支援、雇用の確保とともに「派遣切りをやめさせる緊急立法」などを求めました。
「村民」は都内四カ所に用意された一時宿泊施設などに移動。ハローワークや東京都などが出張所を置き、住み込み可能な職場のあっせんや資金の緊急貸し付けなどをおこないます。入居期限は十二日までですが、厚労省側は柔軟に運用する方針です。
「派遣村」実行委員会によると、年末からの入村者数は四百九十九人で、宿泊者数は四百八十九人。相談件数は三百五十三件にのぼり、生活保護申請予定は約二百三十人に達しました。五日の同申請者七十五人のうち十人が即日受給できるようになりました。
年度末には製造業を中心に「派遣切り」が全国で加速する恐れがあり、「派遣村」村長を務める「もやい」事務局長の湯浅誠さんは「多くの人が日比谷公園で命をつなぎました。二度とこのようなことがないよう派遣切りを許さない緊急立法を」とのべ、「政治の力を発揮してほしい」と訴えていました。
実行委、相談活動を継続
「派遣村」実行委員会は、6日以降もひきつづき「派遣切り」「解雇」「契約更新拒絶」などの被害者の労働相談、住居相談、生活相談の活動を継続します。
相談窓口の問い合わせは、同実行委員会事務局の東京都新宿区西新宿4の16の13の「全国ユニオン」(電話03−5371−5202)まで。
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