2009年1月5日(月)「しんぶん赤旗」
衣食住・雇用確保を
派遣村で「村民」集会
緊急特別立法など要望
|
「派遣切り」「期間工切り」などで仕事も住まいも奪われた労働者らを支援するため、市民団体や労組が実行委員会をつくり、東京・日比谷公園に開設した「年越し派遣村」は四日、「村民」集会を開きました。労働者や支援のボランティアら約千人が参加し、国などに、「衣食住」と雇用の確保を強く求めていくことを確認しました。
神奈川県藤沢市のいすゞ自動車で派遣労働者として働いてきた男性(39)は「日研総業の派遣として一年働いた。次の仕事探しをしないと不安だったので大みそかに寮を出ました。寮費や光熱水費を口座から引かれると、蓄えなどできず、テレビで『派遣村』のことを知って来ました」と話しました。
「派遣村」実行委員会は厚労省に対し、▽衣食住の確保▽相談窓口の設置▽「派遣切り」「期間工切り」を認めない緊急特別立法―などの六項目を要望してきました。
昨年十二月三十一日からはじまった「派遣村」は、当初の予想を大きく上回る人たちが「村民」登録したため、二日夜からは実行委員会の要請で、厚労省が講堂を開放。講堂と公園内のテントには計約五百人が宿泊していました。
実行委員会によると、二百人近い人が五日に生活保護の申請を行います。同日には、厚労省要請や国会へのデモ、院内集会を予定しています。
志位委員長ら激励あいさつ
集会では、日本共産党の志位和夫委員長、民主党の菅直人代表代行、社民党の福島瑞穂党首、国民新党の亀井久興幹事長、新党大地の鈴木宗男代表が激励のあいさつをしました。
また、日本共産党の小池晃参院議員(医師)は医療相談などの支援活動に取り組みました。(志位委員長のあいさつ大要)
宿泊所4カ所設置
実行委に厚労省
「年越し派遣村」の「村民」が二日から宿泊している厚労省講堂の使用期限の五日を控え、同省は四日夜、雇用契約を切られ住居を奪われた労働者らを受け入れる一時宿泊所を五日以降、東京都内四カ所に設置することを明らかにしました。「年越し派遣村」実行委員会が、厚労省とねばり強く交渉し、実現したものです。
同日夜、同実行委員会が開いた集会で報告されました。
厚労省は都内の学校施設など四カ所を開放し、「村民」の一時宿泊施設として利用。期間は十二日までで、約五百人が寝泊まりでき、食事も提供するといいます。一人あたり十万円の一時金の貸し付けも実施します。
包括的な相談窓口を都内の社会福祉協議会に設置します。
雇用の確保でも、寮付きの求人を約四千件あっせんするとしています。
■関連キーワード