2008年12月31日(水)「しんぶん赤旗」
ガザ空爆 国際法違反
米の専門家 イスラエルを批判
二十七日に始まったイスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザに対する空爆は多大な犠牲を出しています。
イスラエルのリブニ外相は二十八日、軍事行動の即時停止を求める世界の呼びかけを拒否。「イスラエルは自国の市民を守っているのだ」と正当化を図っています。
パレスチナ人の死者は三日間で約三百五十人に達し、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は少なくとも五十七人が民間人だと報告。イスラエル側の死者は四人といわれます。国際世論は「イスラエルの不均衡な規模の空爆」(英紙フィナンシャル・タイムズ二十九日付)と批判し、軍事行動の停止を求めています。
米国のシンクタンク「政策研究所」のフィリス・ベニス研究員は、ハマスのロケット砲攻撃が結果として民間人を標的にしており、国際法違反だとしたうえで、イスラエルの軍事行動も国際法に違反すると批判しています。
その理由として、(1)軍事施設ではない「治安関連施設」を攻撃している(2)プラスチック製造工場やテレビ放送局など民間施設を明確に標的にしている(3)百五十万人が住む人口密集地を攻撃している―ことをあげています。
パレスチナ自治政府のアッバス議長はイスラエルの空爆を「犯罪的行為だ」と非難する一方、ハマスに対してもイスラエルとハマスの六カ月間の停戦期限が切れる前に「停戦を終わらせるな」と繰り返し呼びかけてきたと語っています。(伴安弘)